あれか?これか?

プログラミングのこととかを書いたりするかもしれない。

就活も終わったので高専生活での色覚異常の影響を振り返ってみる

先日就活が終わった。こう考えると高専生活もあっという間に終わりそうだなぁ…
ちょうどいいので前々から書きたかった色覚異常について書こうと思う。

筆者のステータス

高専、電気電子工学科所属 5年生で就職の道を選ぶ

症状について

まず、私は先天赤緑色覚異常である。いわゆる2型2色覚である。
眼科の先生曰く「重くもないけど軽くもないね」とのこと。
症状が軽い人だったら、三色ある目の錐体(赤、緑、青)のうち、一部の錐体の機能が弱い程度らしいが、私の場合、緑の錐体が働いていないらしい。

よく全色盲(世界がモノクロに見える目)と勘違いされるかもしれないが、世間一般の大体の色は見える(はず)。とにかく一部の色の見分けがつきづらいのである。

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ネットでよく見る奴 私の場合 上真ん中は12、左下は17、下真ん中は70、あとは何も見えない

私の場合、信号の赤と黄色、マリオカートの赤甲羅と緑甲羅なんかをよく人に説明するときに使う。
信号は暗いところだと特につらい。赤甲羅緑甲羅は幼少期、GBAで遊んでた時見分けづらいなぁって思ってた。

症状発覚について

色覚異常が分かったのは高専に入学してすぐ、健康診断で判明した。
検査の時、本でいろいろ見せられて数字を答えさせられるが、ほとんど「わかんないっすねぇ…」としか言えなかったのを覚えている。
ただ、ネットで上の画像とか見たことあったので、「あっやっぱりかぁ」ぐらいにしか思ってなかった。

高専生活での色覚異常との付き合い

www.amazon.co.jp

色覚異常が判明した一年生の時、読書感想文をこの本で書いた。
そしたらなんか表彰してもらい、読書カードをもらった。この読書カードでPythonの入門書を買った。
なので実質色覚異常のお陰でプログラミングを始められたのかもしれない。



色覚異常でつらかったこともあった。
それは抵抗のカラーコードである。

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電気科入ったらとりあえず覚えさせられるやつ

こっちの身としては読み方は分かっても色が分からないのでどうしようもない。
テスター使えばいいじゃん、って言われるかもしれんないが
テ ス タ ー を 作 る た め に 抵 抗 を 使 う ん だ よ
うちの高専では、テスターのキットを作成する授業があったのだが、その時は非常に苦労した。
頑張って抵抗とにらめっこして大体推定する、といった作業は本当につらかった。
母親にこのことを相談して「あっそ」で返されたときは泣きたくなった。



後は授業で使うパワポもたまに見づらいことがあった。
よく基本は黒文字で書いて、強調するところは赤文字で書く、といったプレゼンが多いが、大体黒に見える。
パソコンの画面上だったら、比較的マシなのだが、授業で使うプレゼンは大体プロジェクターを使う。
このプロジェクターを使われると見づらさが加速する。
プレゼンで強調したいところは太文字にするとか、下線を引くとかにして欲しいものだ…

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一瞬見ただけじゃどの文字をミスしたのか全く分からない…

タイピングゲームでは、正しく打てた文字は黒文字、間違ったものは赤文字といった形式が多く取られるが、私にとってこれは非常に見づらい。
近づいて目を凝らせばだいぶわかるが、普段のモニターとの距離では全く分からない。



これは電気科限定の悩みかもしれないが、オシロスコープの波形の見分けがつかない、といったこともあった。

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いわゆるディジタルオシロスコープ

この波形は四つぐらい同時に表示することができるのだが、水色とピンクの波形を同時に出されたらどっちがどっちかわからない。
まぁ四つ同時に表示する場面なんてそうないので、見分けやすい色の波形を使えばいいのだが。

就職への影響は?

色覚異常と診断されて、一番心配するであることであろう。
結果から言うと「影響はある」(電気系の場合は特に)
まず真っ先に弾かれるのは、印刷業界。求人票を見たらわかるが、大体入社前に色覚検査をやられる。
電気科へ印刷業界の求人は結構来るが、これで弾かれてしまうのは悲しい。
他に影響があったのは、配線作業を伴うような仕事
高専本科卒はよく保守点検の職種に配属されるが、これも注意したほうがいいと思う。
じゃあどこだったら大丈夫なのか。個人的にはプログラム書くようなところだったら大丈夫だと思う。
コーディングするときエディタが見づらかったら自分で変えればいいし、色で判断することはそんなにないと思う。
marketplace.visualstudio.com
vscodeにはこんな便利なthemeもある。

もちろん、これは企業によるので求人票だったり、直接確認したほうがいいだろう。
入社してから苦労する、ということは避けたいし。

色覚異常はただの個性

最後に、私はこう思ってる。
運動が苦手な人もいれば、勉強も苦手な人もいる。
だったら色が苦手な人がいても何もおかしくないだろう。
最近はカラーユニバーサルデザインが整ってきてて、困ることも少なくなってきた。
ゲームなんかも色覚サポートが実装されることが多くなってきた。

ただ、自分は色が苦手、ということは知っておいたほうがいい。
知っておけば、「もしかしたらこれは赤と緑で分けられているかもしれない」「ここは赤文字で強調されているのだろう」といった判断ができるようになるからだ。

私の幸運だったことは、高専一年生という比較的早い段階で症状が発覚したことだった。
今は小学校、中学校で色覚検査をやらなかったりするらしいし。(私の場合もそうだった。)
就職なんかに影響が出るのだから早いうちに検査させたほうがいいと思うが…。

とにかくこの「個性」とはうまく付き合おう、という話。